「好きな食べ物」と、遠い遠い記憶のお話

 

こんにちは! おにくでございます。

 

唐突ですが、人生、出会いと別れがたくさんありますよね。

 

地球の人口は今や77億人! 私たちは、もはや無限の出会いと別れを経験し得るわけです。

 

そんな中、新しく誰かと出会い、緊張しながら互いの腹の内を探る会話をする中で、高頻度で出てくる話題があります。

 

「好きな食べ物はなんですか?」

 

これに、皆さんは何と答えるでしょうか?

唐揚げ? オムライス?  寿司? …………

 

いろいろとあるでしょうが、私は、この話題を振られたときに非常に困ってしまいます。 何故なら、「好きな食べ物」としてすぐに思い浮かぶものが無いからです。

食べることは好きですし、食べ物を美味しいとも思うのですが…………。美味しいものは美味しい、不味いものは不味い、って感じでふわふわしているんですよね。それ以上に、私が食べ物にあまり興味が無いだけかも知れませんが。

 

しかし、これ以上「好きな食べ物はなんですか?」って聞かれて口篭るのはやめたい!

 

ということで、自分の中に眠る食べ物の記憶を今日一日思い起こしていたのですが。 ひとつ、ピンときたものがありました。

 

空芯菜の炒め物」です。

 

 

もう10年以上も前、私は当時、赤道近くにある温暖な国に住んでいました。厨房で、今は亡き母がフライパンで何やら作っています。空芯菜と油、ニンニクを炒め合わせた、空芯菜の炒め物です。やがてお皿に大盛りに盛られたそれが、食卓にどん、と置かれます。私がそれを大好きなのを知っている母は、いつもそれはそれは大盛りに作ってくれるのでした。

 

一年程その国に滞在し、私たち家族は日本に戻ってくることになるのですが、当時の日本では空芯菜というものがあまりメジャーではなく、それ以降、母は空芯菜の炒め物を食卓に置くことはなくなりました。

 

あーー私、空芯菜大好きだったなあ。過去を思い起こして、少ししんみりしたのでした。

 

これから「好きな食べ物はなんですか?」と聞かれることがあったら、空芯菜の炒め物です! と答えることにしよう。

 

調べると、空芯菜は昔と比べて、日本でもメジャーになりつつある? ようです。次スーパーに行ったら、野菜コーナーを舐めるように見て回ろうと思います。そしてもし、あの蒸し暑い土地をともに過ごしたアイツと再会できたら、母の見よう見まねで調理してみようと思います。

 

以上、「好きな食べ物」と、遠い遠い記憶のお話でした。